「家のつくりようは、夏をもってむねとすべし」
1300年代に吉田兼好という人が徒然草で書いた格言です。
どういうことかというと、
「冬はどうにかして過ごせるけど、夏の暑さはどうにもならないから、夏を基準に家づくりをしましょう」ということです。
確かに冬はたくさん着込めばなんとかなるかもだけど、夏の暑さは防ぎようがないですよね。
ということで、昔は風通しの良い家が建てられていました。
家中に隙間を作って風通しを良くして、冬は厚着をして耐え凌ぐ…。
ガラスの窓だって無かったでしょうし、暖房器具だって何も無い、気密性は皆無。
そんな時代でした。
冬、寒いのも嫌ですよね、雪も降りますし。
でもその頃の建物は、丈夫で長持ちするつくりでした。
柱も床も全部が常に風に晒されているので、木材がしっかりと乾燥しているからです。
法隆寺が良い例だと思います。
大昔の建物なのに木造の建物が1300年以上経った現在も、倒壊せず腐りすらしないのは、風通しが良いことが理由です。
現代の木造住宅の寿命(耐用年数)は30年と言われています。
木造の法隆寺は1300年以上です。
コンクリートや鉄骨でできていたらこんなに長く存在することはできなかったでしょう。
法隆寺はちょっと特別かもしれませんけどね。
でも長持ちするかしないかはやっぱりそこになります。
時代は進み、高気密・高断熱にした結果はまた次回。
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